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元スターバックスCEOの著者が、経営の鉄則を41項目にまとめています。読んでみて非常に共感できたのは、『ミッションで従業員を引っ張る』という経営の最も根幹の部分の重要性を説いている点です。

「従業員が、指示されたことしかやってくれない」という経営者の嘆きは良く聞かれるところですが、それも会社のミッションの浸透度合いが低いことが原因であるというのはまさにその通りだと思います。

 

また、経営者の最大の仕事である会社の重要事項に関する意思決定。これについても様々な難しい意思決定を、ミッションに立ち返って判断することが出来るかどうかが重要であり、ここでもやはり会社のミッションの重要性が説かれています。

私は常々、「会社の究極の目的は、①社会的存在意義を高めること、②利益を最大化すること」という話をするのですが、その点も非常にロジカルに説明してくれています。ミッションひいては経営理念がいかに大切か、再認識させてもらいました。

 

スターバックスでは、業務マニュアルの様なものはなく、「人々の心に活力を与えること」という明快なミッションの下、全従業員が一つの目的に向かって自発的に動いています。なぜそんなことが可能になっているかというと、ミッションを徹底的に繰り返し周知すること、そして、現場、従業員とのコミュニケーションを非常に大切にしていることがポイントだと思います。現場の声を吸い上げるため、上司と部下の一対一のミーティングを定期的に頻繁に行ったり、インフォーマルなコミュニケーションの場を数多くもったり、仕組化されたコミュニケーションにより強い結束力が出来ているのでしょう。

 

ロジック思考の経営者の皆様には非常に参考になる書籍だと思います。

近年、米国でシェールガスの採掘、利用が増加しています。

シェールガスとは、シェール(頁岩)層から採取される天然ガスで、これまでは岩盤に封じ込められているシェールガスを採取することが困難だったのですが、技術革新によって本格的な産出が可能となっています。

 

19世紀の石炭から20世紀の石油へ、そして21世紀は非在来型の新エネルギーへと転換していくと言われています。その一つの候補としてのシェールガスは、世界のエネルギー勢力図を一変させる可能性があるとともに、米国経済復活の鍵とも言えるかもしれません。

 

このシェールガスを中心としたエネルギーインフラへの投資を目的とした事業が『MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)』と言われる事業です。いわゆる『REIT』のエネルギー版といった感じのものです。MLPは主にパイプラインを使った輸送やタンクを使った貯蔵といった『川中事業』に投資していますので、川上の採掘や川下の卸売に比べて投資対象としてはリスクが低いと言えます。

 

地球温暖化への対応が急務である現在、新たな代替エネルギーの革新へ期待する意味を込めて、投資対象としてみました。中長期的に保有しようと思っています。

最近知った素晴らしい新ビジネス「子育てシェア」。

 

シンプルなサービスなのですが、女性の社会進出と子育てを強烈にサポートする画期的な仕組みではないかと思います。 そのサービスを簡単に言うと、子育て中の母親が、子供の送迎や託児を、一時的に顔見知りのサポーター(子育てシェアの会員)にワンコイン(500円/1時間)で依頼するのです。 今や2万人を超えた会員同士でサポートし合う、いわゆる「子育てをシェアする」のですが、依頼するだけでも良し、依頼を受けるだけでも良し、ワンコインという設定が依頼をし易くしているのです。 依頼するのは近所や同じマンション、幼稚園、習い事などで一緒の顔見知りのママさんだから安心。

 

ワーキングママの最大の懸念は子供が風邪をひいたり病気になった時の対応だそうですが、そんな時でもうまく子育てシェアを使えば乗り切れることも。 これで、会社に迷惑をかけてしまうがために就業をためらっていた子育てママも、安心して仕事に着くことができるようになったといいます。

 

母親が安心して仕事に就くことが出来、企業も積極的に女性人材を活用できるようになり、長期的に日本経済を後押しする、そして地域コミュニティも強くなり、『三方よし』の素晴らしい仕組みだと思いました。 ビジネスとしてみても、顧客ニーズを見事に掘り起し、それにマッチした価値を提供していくまさにお手本と言える事業ではないでしょうか。

先週3日間、中小企業基盤整備機構の『海外展開支援研修』に参加してきました。この研修は、経済産業大臣から認定を受けた経営革新等支援機関を対象に、中小企業の海外展開を支援する実務を学ぶための研修です。

参加者は、私の様な会計専門家の他、弁護士さん、金融機関さん、中小企業診断士さんなど様々でした。3日間とも午前中に講義を受け、午後はグループワークをするといった形で、かなり実務的な訓練を積むことが出来ました。

これでいつでも海外展開を志向する企業様の支援ができそうです。とはいっても、私が全て一人で支援できるわけもなく・・・。

 

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海外展開の相談を受けたら、情報収集、事業計画の策定、販路開拓、現地でのビジネス拡大、といった各ステージで、まずは何をしたらよいのか、情報源やパートナーをどうやって探したらよいのか、どんなリスクがあるのが、そのリスクへの対応策は?、といったようなことを整理してお伝えしながら、そのエリアに強い政府機関や専門家等を紹介する。といったような支援の形になります。

 

『日本再興戦略』では、今後5年間で1万社の海外展開を目指しているそうです。もちろん先に数字ありきではいけませんので、むやみな海外進出にはブレーキをかけながら、一方で、海外展開に潜む多大なリスクを認識してもらいながら、積極的かつ慎重に支援をしていきたいと思っています。

 

大事なことは、『日本の大事な技術、知財を安易に流出させないこと』、そして、『海外マーケットを取り込んで日本を豊かにしていくこと』だと思います。

中小企業と支援機関の技量が試されます。

昨日、ドル円相場が約6年ぶりに110円台の大台に乗せました。 この2ヶ月で8円ほど円安が進んだことになります。

そして、経済界の反応は、特に中小企業において「円安方向に行きすぎでは・・・」との声が。

安倍政権前のデフレ時には、円高からの早期脱却が叫ばれていましたが、ひとたび円安になると反対の意見が出る。 一体適正な為替相場って・・・?!。 一概には言えないんでしょうね。その時々の景気、業績の芳しくない業界からの不満の声が強調されるのでしょう。

今回の円安は、米国金利の上昇期待と、景況感のギャップ(日本景気:弱―米国景気:強)が主要因かと思いますが、今後の日本経済はどうなっていくのでしょうか?

 

ということで、昨日、日銀短観が発表されましたので中身を見てみると、

【前四半期と比べて】

大手製造業・・・+1ポイント(+13)

大手非製造業・・▲6ポイント(+13)

中小製造業・・・▲2ポイント

中小非製造業・・▲2ポイント

 

大手製造業は輸出関連を中心に景況感が改善されていますが、それ以外の企業は、増税、円安によるコスト高、天候不順などの影響で景況感が悪化しています。

業界としては、自動車関連、建設関連が改善し、小売、不動産、サービス関連が悪化しているようです。

 

これだけ見ると、あまり先行き明るくないのかと思ってしまいますが、そう悲観することばかりでもありません。 企業の設備投資計画が高水準になってきていますし、8月の一人当たり給与も1.4%アップしています。 設備投資や給与水準が上がり、消費に回ってくれば経済も上向いてくるはずです。

 

最後に、消費税増税について。

このように経済も徐々にですが改善基調にあり、今年度のGDP成長率もマイナスにはならないと言われていますので、消費税10%増税の環境は整っていると思います。 もし先送りすると・・・、日本の財政の信認が低下して国債が売られ、日銀が頑張っている金融緩和の効果が薄れていってしまいます。ひいては景気に悪影響が出てしまいます。

安倍政権の政治決断がどうなされるか、決断の時期は迫っています。

「オジコ」というTシャツブランドをご存知でしょうか? 石川県のとある会社が運営するブランドですが、一風変わっています。 店舗を持たず、百貨店の催事場を渡り歩いて出店しているのです。

まあ、それだけでは驚かないのですが、このブランド、なんと客単価が9,000円とか!  Tシャツ店としては驚きの数字ではないでしょうか?!

よく見てみると、そのデザインが非常に個性的なのです。 特に、親子ペアデザインのTシャツが種類豊富で、親子で着て横に並ぶと、電車などの絵柄がつながったりするのです。それもかわいらしいデザインで。 画像を見ていて、私もほしくなってしまいました。

ある時、そのブランドが島根の松江にある百貨店の催事に出店依頼されました。 その百貨店のお客様は年配者がほとんど。

そこで、オジコが狙った(市場:Field)は、「おじいちゃん、おばあちゃんが、孫に買ってあげたくなるような洋服」市場でした。

市場を明確化し、ターゲットをピンポイントに絞って催事に出店。見事に成功を収めたのでした。

市場を「Tシャツ」といった種類で考えずお客様の目線や価値感で市場を特定し、ニーズに合わせてターゲットを絞っていく。 簡単なようで難しい戦略ですね。

日本という国は他に類を見ない凄い国で、100年以上続く長寿企業が約27,000社あると言われています。 会社を永続的に発展させ、社会に対する存在価値を維持していくためには、変わらないもの「理念」と、変えていくもの「革新力」の2つが必必要不可欠であることは常々記事にも書いているとおりです。

 

そうはいうものの、製品や市場が成熟した産業においては、なかなか革新的な行動を起こしていくとこが難しい業種もあります。 そんな経営環境の中で、過去の栄光に浸り、現状にあぐらをかいていたとある食品メーカーがありました。 この会社は仁丹を作っており、80年代には圧倒的な支持を受け飛ぶ鳥も落とす勢いでしたが、近年売上高はピーク時の10分の1。数十億円の赤字を計上していました。

会社が非常な危機にあることは従業員にもわかっていたはずですが、従業員は皆その危機を見て見ぬふり。 危機に気が付かないのではなく、気が付きたくない。そんな社風の中、「また昔のように売り上げが伸びたらいいな」的な根拠のない希望を支えに経営されていました。

 

そこに、新たに外部から社長が招聘され、抜本的改革に着手することになりました。 この社長は商社出身で、海外関連会社の経営も経験のある敏腕社長。 早速改革に着手したのですが、初めのうちは反発が大きく上手くいきません。しかしこれもこの社長の作戦の一つ。 この危機感も改革思考もない企業風土を変えていくには、一度風を起こさないといけないと、敢えて厳しい言葉を使ったり、中途採用を増やして競争心をかき立てたり、積極的に従業員に権限を与えるとともに、外に連れ出して他業界の人材と交流させることにより革新思考を植え付けていったのです。

 

合わせて、社内で開発されたものの実用化されずに眠っていたカプセル技術を使って、新たな食品や医薬品、さらにはレアメタルの吸着回収剤なども開発。 過去の栄光に浸り、仁丹に頼りきりだった企業風土を一気に改革し、従業員の発想力、革新力を引出すことに成功したのです。

 

近年、大企業でもサントリーやカルビー、武田薬品など、外部から経営トップを招聘する動きが増えています。 しがらみや先入観のない、革新的な経営者が経営に手腕を発揮していくことは、企業再建に有効は手段であるとは思いますが、中小企業においても、経営者を変えなくとも再建していくことは十分に可能です。 ただし、過去の流儀から抜け出せない組織からは革新は生まれません。経営者、そして従業員一人一人が意識をもって改革にとりくめば、新たな地平が見えてくるのです。

 

モスバーガーといえば、手作りの美味しいハンバーガーを提供してくれるお店のイメージが定着していると思います。 ハンバーガー市場のシェアは約14%で、マクドナルドの75%に次ぐ業界第2位。 そんなモスバーガーの社長さんの一言。

 

「マクドナルドさんを競合と思ったことは一度もない」 「むしろ競合は地元の寿司屋さんとかとんかつ屋さんと思っている」

 

この考え方は、私の『SHAFT経営』の根幹をなす考え方であるので、この映像を見たときとても嬉しくなりました。

 

私もモスバーガーが大好きです。 ちょっと値段が高いし、ちょっと待たされるけど、全く気になりません。 低価格や早い提供を期待していないからです。あくまで期待しているのは美味しいハンバーガー。

一度、モスバーガーさんも値下げをしたことがあるようです。十数年前、30周年記念で一定期間だけ300円を200円に。 そうしたら、顧客からおしかりを受けたそうです。 『モスはそんなことをしてはいけない!』と。

それからは一度も安易な値下げはしていないそうです。 「ハンバーガーの価値を下げたくない」と社長は力説します。

そして、顧客のニーズを直接感じるため、タウンミーティングを開催して顧客と社長が直接議論したり。

顧客にとっての価値の本質を追求し、ニーズに応えていく。 中小企業にこそ、学ぶところの多い会社です。

凄すぎるアートディレクターさんの特番を観ました。 企業のブランディングにおいて、いわゆるアーティスト・アートディレクターというと、私のイメージでは企業や商品のロゴやキャッチコピーなどを創って商品や企業の広告媒体にのせる、といったものでしたが、そんなイメージを全く吹き飛ばすアートディレクターの方がいらっしゃいました。

 

企業の大枠を俯瞰し、また細部まで理解しながらその企業が有する価値の本質を明確化させ、それを社会に伝えていく。 そんな、価値の本質を社会に伝えるという作業は簡単なようで非常に難しいんですね。 実際はほとんど伝わらない、もしくは企業サイドで消費者に伝わっていると思い込んでいるだけ、というケースが大半だとその方は言います。 そして、『伝わっていないのは、存在していないことと同じ』。非常に厳しい指摘ですが、まったくおっしゃる通りですね。

 

その方は、セブンプレミアムやホンダのNBox、ユニクロ、楽天、T-ポイントカードなど、多くのヒットデザインを手掛けた方なのですが、そのヒットを支えているのが卓越したコミュニケーション力。

 

ポイントは4つだそう。

1、相手の話をよく聞く

2、話の本意を理解する

3、自分の考えを正確にまとめる

4、自分の考えを的確に伝える

 

あたりまえじゃないか、と思ってしまいがちですが、これらは本当に重要、かつなかなか出来ないことなのです。 しかし、こういった基本的なことを徹底して、そして自らの理念に基づいた行動を実践していればこそ成功する、そんなことを教えられました。

 

この方のクライアントは口々に言っていました。 『先生は我が社のドクター、かかりつけ医』だと。

医者の仕事は2つ。診断と治療。 そのうち、診断が非常に重要であり難しい。 企業でいえば、売上が上がらない、イメージが悪い気がする、従業員の意欲がない、・・・・・。 その原因を追究し、問題をバシッと整理し、適切な処方をする。

アートディレクターさんなのに、従業員にヒアリングしたりしながら時間をかけて診断し、企業の進むべき方向性をイメージとして可視化し、経営者の悩みとそしてやりたいことを整理してあげる。

 

私も日頃から、『ブレない一貫した軸をもって経営するSHAFT経営』の考え方をベースに、クライアント経営者様のかかりつけ医的存在となることを目指して仕事をしていますので、非常に共感するとともに、日々スケールの大きなプロジェクトで実践していらっしゃるこの方に対する尊敬の念が非常に大きくなりました。

私も今一度気合を入れなおして、業務に邁進していきます!!

 

前回に引き続き、商品軸による差別化に成功した企業の事例。 こちらも経営難から躍進した革新的な中小企業です。

 

日本のメガネは約80%が福井県の鯖江市というところで製造されているそうです。 ピーク時には約900社くらいあった鯖江市のメガネ関連業者も今では半分近くに減少してしまっているのだとか。

そこに現れた救世主。 鯖江市のメガネ関連製造業者でもある中小企業の経営者が開発したとても薄くてファッショナブルな老眼鏡。 折りたたむと厚さは2mm。500円玉とほぼ同じ薄さだそうです。 持ち運びが便利なように、薄くすることを追求するとともに、デザインにも磨きをかけて今では大ヒット。

 

老眼鏡と言えば、今では100円均一でも買える時代ですが、なんとこの『ペーパーグラス』は約15,000円だそうです。 それでもヒットするということは、(市場:Field)で考えると、『持ち運びやすくおしゃれな老眼鏡』市場というニーズが潜在していたということで、そのニーズがこのメーカーによって掘り起こされ、一気に顕在化したのです。

 

価格競争に巻き込まれても、どこかで価値の本質を追求し、顧客ニーズに適合させていく姿勢、前回に引き続き見習っていきたいですね。