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「うちは下請けだから・・・、自力での改革なんて・・・」よく聞くフレーズですが、下請けでも自力でV字回復する企業も多くあります。

岐阜県の浅野撚糸さんはもともとタオル製造の下請けとして経営していましたが、中国製タオルの台頭により倒産危機に陥りました。多くの企業はそのような外部環境悪化に対応しきれず飲み込まれてしまいますが、同社はそこで下請けを脱却するため新製品開発に執念を燃やし特許を取っていきました。タオル製造では2本の糸を撚っていくのですが、わら、トイレットペーパー、・・・、撚れるものはなんでも撚って実証研究していきました。すると、2本の内1本をある水溶性の糸を使ったところ、その糸が収縮して隙間ができ強烈に水を吸い込むことが分かりました。吸水力は同等商品の1.5倍、それが大ヒットとなり業績を回復していきました。

 

私もそのタオルを購入して使ってみたのですが、本当にフワフワで吸水力抜群で驚きました。

下請けという現状を嘆くことなく、他社には出来ないものを自力で見つけようとする姿勢は本当に素晴らしいと思いました。

ビジネスシーンにおいて「無借金経営」という言葉を耳にすることもあるかと思いますが、「無借金経営」にも本当に対外的な借入が全くないパターンと、借入はあるがその残高が現預金残高を下回っている「実質無借金経営」のパターンがあります。銀行は返済実績を重視するから無借金経営より実質無借金経営の方が良い、なんていう方もいますが、実際そんなことはありません。

 

重要なことは、自社に最適な現預金残高の水準、借入金残高の水準を把握し、その具体的な水準目標を見据えて財務戦略を遂行していくことです。最適残高水準は業種によって、つまり運転資金や設備投資資金がどれだけ必要なのか、あるいは営業債権債務の回転期間の長短等によって異なりますが、一つの目安として自己資本比率を30%とし、総資産に対する現預金比率、借入金比率も30%とすることを目指してみてもよいでしょう。それをクリア出来たら自己資本比率60%、対総資産現預金比率も60%を目指してみても良いと思います。こうなれば、全ての債務を現預金で返済しても手元に資金が残ります。

 

損益計算書だけでなく、貸借対照表における財務バランスにも常に注目して経営していけると良いですね。

前回、ファミリービジネスもベンチャービジネス同様にイノベーションが重要である記事を書きましたが、大企業でも同様にベンチャー精神が重要な要素です。

 

トステム、イナックスなど数社が合併して出来た住設機器メーカーであるリクシルの社長に先日瀬戸氏が復帰しました。同氏は工具等ネット販売のモノタロウを設立、数年後に一部上場させた敏腕社長で、合併後赤字に陥っていたリクシルを再建しました。

合併後、優秀な人材は豊富であるが、大企業病に陥っていた同社にベンチャーの息吹を吹き込み、見事に企業風土から変革してみせました。服装を自由にしたり、会議を立ち会議にしたりといった形式的な改革に合わせて、「失敗しても良い」、「失敗しても決して罰せず、次に生かしてチャレンジさせる」といったベンチャー精神を推進していきました。

その結果、サッシがほとんど目立たない大きな窓、や、まな板不要のキッチンなど、新商品を次々に開発し、業績を伸ばしていきました。

 

どんな企業規模であれ、従業員の失敗を認め、次にチャレンジしていくベンチャー企業のような精神が重要であると感じます。

先月、「次世代を勝ち抜くリーダーシップとは」という経済フォーラムが開催されたのですが、その中で星野リゾートの星野代表がおっしゃっていた言葉に非常に感銘を受けたのでご紹介します。

 

そもそも日本企業の90%以上がファミリービジネスであり、日本経済に寄与する価値の概ね半分をファミリービジネスがつくり出している。つまり、ファミリービジネスこそが日本経済を担っていく重要な存在である。大手企業と違い先代と後継者の年齢差が30歳程度であり、価値観も考え方も全く異なる後継者がいきなりトップになるためイノベーションが起こる可能性を大いに内在している。伸びしろが大きく当たり前のことを当たり前にやるだけで劇的に伸びる可能性がある。

 

星野氏はファミリービジネスを「立ち上げリスクが軽減されているベンチャービジネスである」と言っています。ベンチャービジネスは大半が3年以内に破綻するが、ファミリービジネスにはそうしたリスクは少ない。立ち上げリスクが圧倒的に軽減されていて、伸ばそうと思えば伸ばせるチャンスがたくさんある。それがファミリービジネスである。そう捉え直すことで付加価値を高め、日本経済に大いにプラスになると考えられるため、私たちは自社の事業にもっと誇りを持っていい。

 

ファミリービジネスもベンチャービジネス同様、イノベーションが重要な要素であると再認識させられました。

県東部で発展を続ける「大人のための癒しの空間」といえば、「時の栖」さん。ホテル、レストラン、温泉、サッカー場、地ビール、ボウリング場・・・、40を超えるレジャー施設を手掛け、中でも本丸の「御殿場高原 時の栖」は東京ドーム7個分の敷地に様々なレジャー施設を構え、としまえんの2倍ほどの年間180万人が訪れるそうです。

 

もともと米久の創業者である庄司氏が御殿場にある牧場とホテルを買い取ってスタートしたこの施設は、「この世の極楽を創りたい」という思いで年月を重ねるとともにバージョンアップしてきました。

 

同氏は、日々新聞や書籍などの情報源に目を光らせ、気になる施設があれば即時にその施設の現場を訪れて視察をするそうです。そして自社とのシナジーが見込める可能性があればアライアンスを検討する等、常に成長志向を持って行動しているそうです。

忙しさにかまけて大切なことを後回しにしてしまいがちですが、庄司氏のフットワークを見習って日々行動していきたいものです。

先日、“串カツ田中”を運営する串カツ田中ホールディングスが第1四半期の業績発表を行い、売上高21億円、純利益1億2千万円と実質増収増益でした。

27歳で脱サラし、ショットバー、デザイナーズレストラン、京懐石など行き当たりばったりの経営を辿ってきた貫社長が、倒産危機に陥った際に勝負した“串カツ”が大当たり。今では海外展開も遂げ、総店舗数は200店を超え、一つの食文化を作りつつあります。

 

そんな同社は「ファミリーを幸せに出来るお店」を理念に経営しているそうで、2018年6月になんと「全席禁煙」に踏み切りました。居酒屋店としては常識を逸脱している方針かとも思われますが、ファミリー、お子様を大事にするという思いで推し進めました。喫煙する顧客が離れていくのは明確ですので、どんな決算になるのだとうと気になっていたのですが、結果としてファミリー層の来店が増加し、好業績につながっているようです。

 

理念や思いを一貫させるトップの決断力、素晴らしいと思いました。

前回ご紹介した「行動経済学」の続きです。以前、幕張にあるコストコに行きました。

 

コストコに行くと、「ついつい色々と買っちゃうんだよね~」という方も多いのではないでしょうか。会員制で年会費は4,400円。結構高いですよね。まず、この会費の「元を取らなければ」と思ってしまうのが人間の心理。これを『サンクコスト効果』といいます。

 

そして、店内に入ると驚くことに、まず大画面テレビや貴金属が置いてあります。5カラットのダイヤモンドが2800万円で置いてあったりします。少し進むと、3万円のダイヤモンドが置いてあります。「2800万円は無理だけど、こっちなら買える!」と思っちゃう人も(中には)いるそうで、これを『アンカリング効果』と言います。

 

そして店内では常時10ヵ所以上の試食コーナーがあります。料理のイメージを植え付ける効果と合わせて、「試食したから買ってあげなきゃ」という心理にさせる、これを『返報性の原理』と言います。さらにあの異常に大きな買い物カート。「空間は埋めたい」という人間の心理をうまく利用していますね。

 

コストコマジック、おそるべしと思いました。

2017年ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のリチャードセイラー教授の「行動経済学」。従来の経済学は、人間(消費者)は常に合理的に行動するという「経済合理性」が前提でしたが、「行動経済学」では、消費者は時には合理的でない行動もしてしまうという考え方が前提にあり、心理学を多く応用しています。

 

例えば、和食屋さんに行ってコース料理を注文しようとしたら、Aコース(¥10,000)、Bコース(¥13,000)、Cコース(¥15,000)と3つのコースがあったとすると皆さんはどんな選び方をするでしょうか?ご存知の通り、日本人の多くは真ん中のBコースを注文するそうです。これを行動経済学では「極端回避性」と言うそうです。ニューヨークのあるお寿司屋さんで、コース料理を1種類から3種類に増やしたところ、客単価アップによって売上高が25%も増加したという事例もあります。

もちろんこれが経営戦略的に必ず正解というわけではありませんが、行動経済学には色々と興味深い考え方があるんだなと思いました。次回は「行動経済学」をふんだんに取り入れているコストコさんをご紹介します。

ラーメン激戦区と言われる静岡県東部地区に興味深いラーメン屋さんがオープンしました。清水町エスポットの向かいにある「ひばり」さん。美味しくて流行っているとの噂を聞きつけ、早速行ってみました。

私はラーメン好きですが、ウンチクを語れる知識もなく、ただ単純に美味しいと思ったお店に通う平均的な消費者の一人です。

 

行ってみると、「濃厚味噌ラーメン」に特化したお店でした。「5種類の味噌と数種類のスパイスをブレンドし、絶妙なバランスで丁寧に合わせ・・・・・、専門店だからこそできる一杯の味をより深く極めた唯一無二の濃厚味噌ラーメンです」と説明がありました。

醤油ラーメンも塩ラーメンもメニューにありません。

 

ランチェスターで言う弱者(中小企業)の戦略、「局地戦で勝て」。モノや情報であふれる現代、そして将来を勝ち抜くために、狭くてもいいから特定の「分野」でトップになる。これこそが王道です。個人的にも非常に学ばされるお店でした。

長野県を代表する建設会社の社長さんのお話で興味深いものがありました。同社は数年前までは倒産の危機に瀕していましたが、現在の3代目社長が指揮を執るようになり業績が急回復、今では従業員約90名を抱える優良企業になりました。

「強い会社になりたい」と願った社長は、同業他社ではなく多様な分野の強い組織を研究し、優秀な人材の必要性を強く認識しました。同業他社が外注化に進み正社員を増やさない環境の中、正社員を採用し、真逆の戦略をとっていったそうです。先代から「人と同じことをするな。人の出来ないことをやれ」と言われて育ったため、同業に学んでも後追いになるだけと思い、同業他社とは全く異なる組織を探求していったそうです。

 

人口増加時代は、他社の情報を素早く集め、大きな流れに乗り遅れないことが求められてきましたが、人口減少時代においては、他社と違うことをしなければ発展できません。特に中小企業においては、独自性の追求が過去とは比べ物にならないほど重要になってきています。簡単ではありませんが、独自性、差別化を常に意識していたいものです。

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