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今年は大塚家具やロッテなど大企業の事業承継騒動が世間をにぎわせました。同族企業では、大企業であっても中小企業であっても、経営承継に苦労するケースがとても多いですね。大塚家具のお家騒動の際、やはり同じく同族企業経営者である星野リゾートの星野社長のコメントがとても印象深いものでした。「大塚家具さんは単にハードランディングを選択したに過ぎない。今後親子が仲良くなる機会は十分にあります。」といった内容のコメントでした。星野社長も経営承継の際非常に苦労し、社内外の多くの難題を克服し、経営方針やビジネスモデルを一気に変革して成功した名経営者です。同族企業には経営承継時の衝突なんぞ当たり前。そこをチャンスととらえて前進すべし、というニュアンスがたっぷりでした。

 

さて、中小企業の経営承継ではとりわけ株式の保有割合が極めて重要な意味を持ってきます。主なポイントは2点。

 

まずは「社長が議決権割合過半数(50%超)の株式を保有する」ことです。なぜなら、議決権割合50%超の株式の保有者は、何時でも(臨時株主総会でも)取締役の選任、解任決議が出来るからです。代表取締役が、会社から思いもかけず追放されることなく安心して経営するには、自己のグループで50%超の議決権を保有する必要があるのです。安易に後継者や外部役員などに早い段階から株式を渡し、会社を追放された社長さんの例も少なくありません。

 

もう一つは、「特別決議のできる3分の2以上をできれば持っておく」ことです。なぜなら、定款を変更したい、事業譲渡など重要な意思決定をしたい、といったような時に、第三者に3分の1以上の議決権を持たれていると否決される恐れがあるからです。

 

いずれにしても、議決権の状況を整理し、将来の経営承継を見据えて株の持分の方針を決めておくことが大切です。

この7月、韮山反射炉が世界遺産登録されました。近くに住んでいながら韮山反射炉がどのようなところかほとんど知らなかったのですが、当時幕府の韮山代官である江川英龍が、欧米列強に対抗しうる大砲の製造を目指して建設した製造所であることを知り、江川英龍について調べてみました。

 

その中で印象に残ったのが、「座学より実戦」。英龍は、吉田松陰が松下村塾で教壇に立つより10年以上前から韮山塾を開き、西洋砲術を教えていました。全国諸藩から約280人が入塾し、英龍の指導を受けていたそうです。

英龍は、座学と実戦の違いを重視し、実戦訓練を何より大切にしました。猟へ出て、猪や鹿を敵と想定して布陣を敷き、鉄砲で撃つ。「日頃十分な力を持っていても、いざという時には五分の力しか出すことが出来ない。もし八分の力を出すことが出来れば天下に敵なし」と言っていたそうです。生死がかかる戦場で、ゆっくり弾を込めてゆっくり考え止まった的を撃つなんてことはありません。敵が突然目の前に現れれば、自分が思っているように動くことが出来ない。英龍は極めて理論的に実戦を想定し、最も適した訓練として猟を選んだそうです。

 

経営者も同じですね。意外に多いのが、経営学を勉強し、MBAやら診断士やら資格をとったといっては、現場に出ず、ろくに実戦を経験することをせずに理論だけで経営を行おうとする二代目経営者。経営は座学の理論だけでは通用しません。日々現場で起きている脅威やチャンスに応じてスピーディーに行動していく力は、現場の実戦でしか養えません。現場で苦労して苦労して従業員さんの気持ちが分かる経営者が経営する会社はやはり強いですね。・・・ちょっと強引に結び付けすぎました(笑)。

日経平均は週末多少回復したものの、先週は中国発の株式相場の暴落で世の投資家たちが右往左往していましたね。

私も数年来株式投資を行っておりまして、この10日ほどで今までの含み益が結構消えましたが、長期投資のスタンスなので、全くもって気にしていません。

 

ところで皆様は、我が国日本の借金財政はいつまでもつとお考えでしょうか?そして、自己の資産保全としてどのような対策をなされ、また検討されていますでしょうか?

日本の一般会計予算約100兆円のうち、実に約40%が国債の発行による収入、つまり借入金に依存しているのです。

そんな信じられないような借金依存状態がもう17年くらい続いているのです。国の予算が回っていること自体、不思議ですよね。

 

企業でいえば、『毎年の売上高が、年間経費の60%しかない』状態です。

こんな異常な状態はいつまでも続きません。民間金融機関もいつまでも国債を買い続けられませんし、

日銀が紙幣を擦りまくって国債を大量購入し続ければ、不健全なインフレが待っています。逆に日銀が国債購入をストップすれば国の財政は行き詰ります。

ちなみに2015年3月の国の借金は1143兆円、国民一人あたり818万円の借金を抱えていることと同じです。

このツケは、必ず国民に回ってきます。「なんとかなる」は通用しない時が来ると思っていた方が良いと思います。

 

【国際暴落か、インフレか?!】

 

さて、高度成長期を経て、もたもたしているうちに「失われた20年」を経てしまった日本。これから成熟経済に移行していくために何が必要なのでしょう?

昔のようにはいかなくても、ある程度の成長路線に乗せていくには、やはりお金を積極的に使うことが重要です。経済は、動いているお金の量とスピードで決まります。

日本経済を成長軌道に持っていくにはお金を使うしかないのです。経済の現場でお金が元気よく回る循環を作ることが重要です。

 

でも、社会も経済も成熟して、欲しいものも手に入ったし・・・。これと言って買いたいものもない。・・・そこで『長期投資』があると思っています。

経済成長期は「猛烈消費、余ったら貯蓄」で良かったのですが、成熟経済では、耐久消費に代わって長期投資が成長の推進役となるべきだと考えます。

皆がお金を使わずに抱え込んでいては、経済活動が収縮し、国民は富を失うだけです。だからこそ、意義のあるお金の使い方を考えるべきだと思います。

 

理念に共感できる経営者、応援したい事業を探し出し、その会社に長期投資をして応援する。そうすれば、経済の現場にお金が回っていき、景気が良くなり、国民所得が高まっていきます。

結果的に投資したその人自身も運用益を得られます。頑張っている会社を応援して、景気が良くなり、所得も増える。短期的な相場変動なんて気になりません。

過去100年以上の統計を見ても、株式市場の長期的な投資収益率は年10%前後で、債券投資を圧倒的に上回っています。

長期投資による企業応援を通して、日本経済に寄与してみるのもいいと思いませんか?

 

ご興味のある方はこの本をご一読ください。

 

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突然ですが、博士号のことを英語で「Ph.D.」と書きますが、何の略かご存知でしょうか?正解は、「Doctor of Philosophy」、「哲学博士」です。経営学、経済学、法学、物理学、医学、どの博士号でもPh.D.と表記するのは、あらゆる学問の根っこに哲学があるからです。

 

企業経営者は、博士ではありませんが、それ以上に実社会で活動している以上、根っこに哲学(フィロソフィー)がないといけません。

さて、企業のフィロソフィーは何でしょうか?私はいつも、企業経営の目的は、①社会的存在意義の確立、と、②利益最大化、であると説明しています。このうち、フィロソフィーに関するのは①社会的存在意義の確立です。「何のためにこの会社を経営しているのか?」「この商売をやっていて社会にどのように役立っているのか?」「どんな思いで独立開業したのか?」ここのところを深く掘り下げて明確にしておかないと、経営戦略も機能してきません。これまで経営コンサルを行った会社の経営者様の中にも、このような根っこのフィロソフィーがなく、小手先で利益を出そうとしていた会社がありました。そのような状態では例外なくいつかは赤字になり自然淘汰されてしまいます。赤字企業は社会に付加価値を生み出していない上に、公共財をタダで使い、国の財政に大きな負担をかけています。そうならないように、②利益最大化していかなくてはいけません。私利私欲からの小手先の利益ではなく、フィロソフィーに基づいた安定した利益を出していくことこそが企業経営者に求められているのです。

 

成熟国家であり巨額の借金を抱えた日本が幸福な社会を築いていくためには、これまで赤字企業を延命させてきた財政支出を減らし、もっと有効な使い道に回していかなければなりません。どんなに小さな企業でも、フィロソフィーに基づいた健全な経営をしていくことが幸福な社会の実現につながっていくのです。

先月、堀場製作所の創業者である堀場雅夫最高顧問が90歳で永眠しました。堀場氏は終戦直後の1945年10月に創業し、同社を世界的な計測器メーカーに育て上げました。

ベンチャー精神あふれる京都企業のDNAを後世に繋ぎ、京セラ、島津製作所、オムロンなどにも多大な影響を与えた堀場氏の経営論は独特で、私は大好きでした。

同社の社是である「おもしろおかしく」に凝縮されているように、「人は、自分が楽しいと感じることには時間を忘れて取り組み、高い成果を生む。だから経営とはつまるところ、社員がおもしろおかしく働ける様にすることに尽きる」と説いています。

 

堀場氏には多くの名言がありますが、中でも私の好きな3つをご紹介します。

「社長はイージーゴーイングで」

社長があらゆる仕事に関わると会社は回らない。財務などをオープンにし、社員がおもしろおかしく働ける仕組みを整え、社長はイージーゴーイングを目指そう。

「おもしろいと疲れない」

おもしろく仕事をすれば疲れない。だからおもしろく働くことこそ人間の自然な姿。仕事が苦痛という考えは間違っている。苦しいなら工夫しておもしろくしたらいい。

「叱る前には1、2時間考える」

叱りすぎたら社員は萎縮し、叱り足りなかったら本人が成長しない。だから社員をどう叱ろうか1、2時間考えてから叱り、叱った後も十分に伝わったかと1時間考える、叱るには愛情が必要である。

 

戦後70年を一心不乱に駆け抜けた日本人が生き方に迷う今、堀場氏の思想は進むべき道を照らしだしていると思ってやみません。

皆様の会社の非正規社員比率は増加していますでしょうか?

少子高齢化に伴う労働力人口が減少している中、日本の経済力を維持していくためには、労働効率、生産性を上げていくこととともに、非正規社員を活用することにより労働力を確保していくことも必要です。実際に雇用形態の内訳をみると、パート、アルバイト、契約社員といった非正規社員の占める割合が増加してきています。2003年に30.2%だった非正規比率が、10年後の2013年においては36.2%まで増加しているのです。その非正規社員に対して、現状ではいまだ、雇用の不安定、低賃金、教育制度の未整備、モチベーション低下、といった問題が山積しています。

 

それらの問題に対処していくためには、職務評価を明確化し、処遇を改善することにより、正社員との均衡待遇を実現していくことが必要です。正社員と非正規社員の職務内容を客観的に比較し、その上で、転勤や配置転換などの勤務負担の差を「活用係数」を使って調整し、待遇格差を解消していくことも一案です。また、非正規社員が総社員の7割を占めるある会社は、正社員と非正規社員の等級基準を共通の土俵で制度設計し直したことで、非正規社員がどうすれば昇格、昇給できるのかが明確となり、モチベーションアップにつなげています。

 

うどんの「丸亀製麺」さんのように、パートさんからも店長を抜擢する人事を行っている会社も増えています。50歳代のパート女性が店長に抜擢され、モチベーションアップにより業績が改善するなどの好事例も出ているようです。

非正規社員だけでなく、正社員も含めて、給与体系、職務内容、人事考課制度を体系的に見直してみてはいかがでしょうか?

「ブランド」というと世の中の誰でも知っているかのようなスケールの大きなものをイメージしてしまいがちですが、そんなことはありません。特に中小企業では、競合(同業他社ではありません)と比較して差別化できていること、それも、圧倒的に顧客にとってプラスとなる体験・価値を与えられていることこそが「ブランド」と言えると思います。競合に比べての優位性が「圧倒的」になれば、その地域でのブランドとなっていきます。

結果的に、「その会社の商品・サービスを買えば、こんなにいいことがある、絶対に損はしない」という信頼感が根付いてきます。これが「ブランド力が高まる」ということです。

 

中小企業は基本的に価格競争をしてはいけません。「独自商品やサービスが簡単に作れたら苦労しないよ」という反論もあるかもしれませんが、そこは覚悟の差です。独自商品やサービスを創出し、ブランド力をつけて圧倒的な地位を築いている会社は、実際には過去に値引しないと売れない商品やサービスをいくつも捨てています。

 

お客様にこびへつらい、値引きをし、価格競争に巻き込まれ、利益が減って、コスト削減を迫られ、従業員のモチベーションが下がる・・・。そんな悪循環は覚悟をもって断ち切りましょう。価格競争から抜け出さないと、企業は将来像を描けません。

徹底して自社商品・サービスの付加価値を見直し、圧倒的な独自性を創出し、ブランド力を高めていきましょう。

「教育」・・・教え、育てる。人を育てる、という行為は、子供の教育、部下や後進の指導、等々、個々の人生、社会全体の成長において常に重要な要素を占めています。とりわけ会社経営においては、経営資源として最も重要とされる従業員の教育が非常に重要です。

 

ご存知の方も多いと思いますが、太平洋戦争の連合艦隊司令長官であった山本五十六氏のあまりにも有名な言葉がありますね。

『やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ』

 

やってみせ:これを省く人が多いのですが、あえて見せることが大切です。あえて見せることが面倒くさいという考えは、相手を軽んじているのと同じです。子供でも、年下でも、同じ人間として相手を尊重することで信頼関係が生まれます。

言って聞かせて:やってみせて、「あとはやっといて!」では少々乱暴ですね。相手を尊重し、言葉を発し、聞かせることが大切です。

させてみて:相手に理解させ、覚えさせるには、実践させてみることが重要です。

ほめてやらねば:ここが最もおろそかにされてしまいます。ほめるという行為は、「相手を認める」ということであり、「それでいいんだよ」ということが伝われば、相手は自信を持って行動できるし、次にチャレンジすることもできます。

人は動かじ:以上の4点をしっかり行うことで人は動きます。教育とは教える側と受ける側の信頼関係がとても重要です。相手を尊重した教えをしていなければ、いつかはいうことを聞かなくなります。上辺だけで、実際は相手を動かしてはいないのです。

あらためてこの言葉の意味をかみしめて、従業員が自然とついてくる経営者を目指しましょう!

 

ちなみに・・・、この名言には以下の続きがあります。

『話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず』

『やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず』

 

全てに共通するのは「相手への尊重」です。とても深いですね。

先日ブログでもご紹介した三島の『イシカワラボ』さんで、2度目のオーダースーツをしてみました。自分にフィットしたスーツが作れ、そんなフィットしたスーツを着ると、背筋も伸びて仕事にもキレが出てきます(出てくる気がします)(笑)。

 

さて、私のことはさておき、『イシカワラボ』の経営者さんは他に類を見ないような勉強家・実践者であり、マーケティング、経営に関してすさまじい勉強と努力を重ねており、業績を上げ、周りにも一流のビジネスマンが集まってくる、まさに好循環の中を生きています。

ということで、マーケティングの勉強にもつながると思い、『オーダーメイドスーツを着る人の成功習慣』という書籍を読んでみました。

 

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結論としては2つ。まず、①成功している経営者は「もの」を売っておらず、「価値」を売っているということ。そして、②集客のノウハウや方法論などのテクニックを学ぶよりも、まずは自分のお店や商品、サービスを世界一愛し、自分も自分の会社からモノやサービスを買いたいと思える会社にすること、です。

 

さて、「一流」って一言で言いますが、「一流」とはどういうことなのでしょうか?特定の分野において深い知識と経験を持っており、それを表現でき、周りに価値を還元できる、といったことでしょうか。「一流」のビジネスマンは、地位や名誉、カネといった外面に執着せず、なぜこの仕事をするのか、世の中のために出来ることは何か、といった内面的なことを常に考えていると思います。

この書籍には、「成功する人の10の習慣」が解説されています。早起きして朝から活動的に過ごす、決断が早い、・・・等々。皆さんは何個あてはまるでしょうか?ご興味あればご一読してみてください。

将来、倍増してもおかしくないコストや、売上が半減してもおかしくない商品はありませんか?資材や資源価格など特定のコストが倍増したり、ある商品の売り上げが半減したり、といった事態を想定するのはさほど難しいことではありません。しかし、会社内ではそういった大きなコスト増や売上減は「起こりえない」と思い込んでいるため、そういった事態に対処すべく行動すること自体が否定されてしまうことが多いと思います。

 

大半の人が「起きない」と信じているのは、「起きたら困る」ので、思考停止しているだけです。資源価格の上昇はもちろん、規制や環境変化で負担が増すことは往々にしてあります。得意先の倒産や技術の陳腐化で売上が激減することもあるでしょう。「クサいものにはフタ」とばかりに、経営の不安定要因から目をそらしてはいませんか?

 

ドラッカーは、『あらゆる関係者が起こりえないと知っていることこそ徹底的に検討しなければならない。起こりえないことが、自社にとって何かを起こすための大きな機会となる』とまで言っています。

潜在的な危機から目をそらさず、徹底的に検討し、リスク対応と、さらにはビジネスチャンスにまで持っていけるといいですね。