寺島会計事務所|三島市、沼津市、裾野市、長泉町、清水町、御殿場市、横浜・東京地区での公認会計士・税理士業務や経営戦略策定支援をいたします。

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宮崎葵さんのCMでおなじみの「earth music & ecology」、厳しい産業であるアパレル業界にあって、毎年約150店舗を出店し成長を続けているアパレルショップを皆様ご存知でしょうか?今や店舗数は約1,200店舗となり、ユニクロさんとも肩を並べる勢いです。運営するストライプインターナショナルの石川社長はアパレル界の風雲児と言われ、岡山で4坪の店舗からスタートし、ここまでの会社を作り上げました。

 

その社長のインタビューを見て驚いたことは、危機感の持ち方が半端ないのです。取り扱うブランド、商品がいつ売れなくなってしまうか、24時間365日、常に「怖い」のだそうで、次に売れるブランド、商品を常に離陸させていくために動き続けているのです。「アパレルは『刺身屋』と同じで、鮮度が命、トレンドをタイムリーに発信していかないと必ず市場から追放される」、とも言っていました。経営革新、改革のスタートは必ず「危機感を持つこと」から始まります。そしてどのくらい真剣に危機感を捉えているかで革新や改革の中身、深さが違ってくるのではないかと感じました。

昨年末に最終回を迎えた「陸王」。私もずっと観ていてラストは感動してしまいましたが、あのこはぜ屋さんのモデル企業についてはいくつか説があるようです。個人的には、埼玉県行田市のきねや足袋㈱さんがモデルなのではと思っています。同社は2013年にランニング用の足袋シューズ「きねや無敵」を発売しています。そして最近、より裸足感覚を得られるシューズの「Toe-Bi」も発売しました。創業1929年の老舗で、現在も従業員30数名で頑張っておられます。

熊本県には、この足袋シューズを利用して練習を重ね、ミッドフット走法を身につけタイムを伸ばしている高校陸上部もあるくらいです。

 

同社の中沢社長さんは、「伝統にしがみついていると衰退する一方なので、伝統技術を生かして新たな一歩を踏み出していくべきだ」と言っています。このチャレンジ精神は是非とも見習っていきたいものですね。

いまや市民の日常生活に欠かせないお茶のペットボトル。中でも2004年に発売されたサントリーの『伊右衛門』は、他とは一線を画す本格的な味わいが好評で、1兆円を超える大ヒット商品となりました。サントリーの飲料では、『天然水』、『BOSS』に続くヒット商品だとか。

 

サントリーが当初の開発に際してパートナーとして指名したのが京都の福寿園さん。同社は1790年創業の老舗であり、「宇治茶」ブランドを作ったと言われている伝統と革新を兼ね備えた素晴らしい会社です。『伊右衛門』のネーミングは、なんとその福寿園の創業者「福井伊右衛門氏」のお名前だそうです。創業者の名に恥じないような商品を作らなければならないという使命感が、あの圧倒的な深い味わいを作り出しているのだそうです。20種類以上の茶葉をバランスよくブレンドし、香ばしさと爽やかさを追求した『伊右衛門』、今後もお茶ペット市場をけん引していくのではないでしょうか。

発売から44年、私と同い年の「ごはんですよ」。あまりになじみ深いため気づきにくいのですが、とてつもない企業努力が詰まったベストセラー商品です。作っているのは「桃屋」さん。他にも味付ザーサイや味付メンマ、きざみしょうがなどのヒット商品があり、中でも大正・昭和の時代から続くロングセラー商品が約十数品目あるそうです。取扱商品点数は少数精鋭で、むやみに新商品は出さない。素材と製法にこだわり、本当にいいモノしか販売しないという「良品質主義」の会社なのです。

近年新商品として発売された「トムヤムクンの素」も、開発部隊が約15年かけて改良を重ね、上層部を納得させて発売した商品だそうで、真に良品質の商品を追及していることが分かります。

 

しかし、伝統と理念が根付いている同社でもその先の進化が必要であり、ごはんに乗せるだけではなく、自社商品の幅広い使い方を広めて顧客拡大につなげるというテーマのもと、自社商品を使った味付いらずの簡単レシピを100品目以上ホームページで公開しているそうです。興味があればご覧になってみてください。

昔、福岡出張に行った時にお土産で買ってきた「ふくや」の明太子。数ある明太子メーカーの商品の中から、何気なく「ふくや」さんの明太子を手に取っていました。実はこのふくやさん創業家の方々の社会貢献への思いがすごいんです。創業者の川原俊夫氏は戦地から帰還後、10年かけて明太子を開発したそうですが、製造特許をとるべきとの周囲の進言にもかかわらず、「皆で色んな味の明太子を製造して世間の人が美味しいものを食べられれば」と特許をとらず、製法をオープンにしたそうです。そのうち他メーカーが明太子を全国に広めた際、社内の幹部が「本家」・「元祖」を名乗りましょうと進言したにもかかわらず、業界NO.1とは「最初に商品を開発した会社」ではなく、「一番大きな会社」でもなく、「一番おいしいものを作る会社」なんだ、として聞き入れず、品質の追及にまい進したそうです。

 

自分たちの利益のことより地域や社会の人々に美味しいものを届けたいとの思いで経営してきた同社は、結果として今では年商約150億円と業界トップ、得た利益を惜しみなく地域社会に還元しています。これこそ真の本家、真の経営なんだと感銘を受けました。

世にカップラーメンは数えきれないほど種類がありますが、私はいつも大盛1.5倍の「スーパーカップ」を手に取ってしまいます。もう10年以上飽きずにファンを続けています。メーカーはエースコックさん。スーパーカップの他にも、「わかめラーメン」、「即席ワンタンメン」、「力うどん」など、ヒット商品は数多い。今でも売上を伸ばし続け、日清食品を筆頭に競争の激しい業界で第4位を誇っています。近年は高まる健康志向に向けて、低カロリーを売りにした「スープはるさめ」が大ヒット。カップスープ部門11年連続売上No.1を続けています。そのカロリーは1杯69Kcalとおにぎりの約半分、合成保存料や着色料も使っておらず、OLさんに大人気だそうです。

 

カップ麺の常識を次々と変貌させてきたこの会社、商品開発のモットーは「やりすぎくらいがちょうどいい」、「とにかくやってみよう精神!」とのことです。リスクを恐れずチャレンジし続ける同社のような企業は今後も発展を続けていくのではないでしょうか。

皆様の会社の売上高経常利益率はどのくらいでしょうか?京セラ創業者の稲森さんは「売上高経常利益率は10%なければ経営者として失格」と説いています。ちなみに売上高経常利益率は、売上の何%を経常利益として残せたかの比率で、「粗利率×経営安全率」に分解されます。経営安全率とは粗利に対する経常利益の割合です。こう考えてみると、一概に売上高経常利益率10%でなくとも、業種によって目安は違っても良いんだと思います。経営の安定を考えた場合、「経営安全率」は20%程度が理想です。ですので、粗利50%の製造業では「50%×20%=10%」の売上高経常利益率があると望ましいですし、粗利15%の卸売業では「15%×20%=3%」の売上高経常利益率があると望ましいのかなと思います。

 

なお、経営安定率20%というのは、裏を返せば「損益分岐点比率」80%ということと同じです。自社の損益分岐点売上高・粗利率を正確に把握し、20%の余裕を持った経営が出来てくると理想的と言えるでしょう。

静岡県東部の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、同じ静岡県内でも西部地区に「たこ満」というお菓子屋さんがあります。

和菓子、洋菓子合わせて約300種類と圧倒的な品揃えで静岡県西部の人々の人気を集めています。店舗網も静岡県西部地区のみに17店舗。そこで街ゆく人々50人に「たこ満」さんのアンケートをとると50人が揃ってたこ満さんのファンであると答えるほどの浸透ぶり。売上も右肩上がりを続け、現在では約26億円。完全地域超密着企業です。

 

同社は1953年創業で今は2代目社長が率いているのですが、ここまで成長する過程で、あまりに業務が多忙すぎて従業員の多くが退職してしまうという絶体絶命の経営危機もあったそうです。

 

そんな危機を乗り越え、強固な経営基盤を築いてきた同社の経営理念は、「ひとりのお客様の満足とひとりの社員の幸せ」。一見平凡に聞こえますが、「全員」ではなく「ひとり」と言っている点が特徴的です。全員均一に満足させるのではなく、ひとりひとりを満足させ、それを積み重ねていく。現代社会ではこの考え方が非常に重要であると思います。

「働き方改革」が提唱され、世間では「時短勤務」に取り組むべく就業規則の見直し、人材配置やシフトの見直し、業務の見える化・・・、様々な取り組みが行われています。

確かにそれらも大切かもしれませんが、実態は「会社で仕事が出来なくなったから喫茶店や取引先企業の会議室で仕事をしている」なんてことをよく耳にします。「プレフラ」もどこまで浸透していることやら?!。

 

私は、そんな形式ばった改革では効果は薄く、真の改革には「社風」を根本から改革する必要があると考えています。

皆さんはアウトドア用品のパタゴニアをご存知でしょうか?ロサンゼルスに本社を置く同社では、「いい波が来たらサーフィンに行こう!」と従業員に呼び掛け、業務時間中でもサーフィンに出かけることを奨励しています。ただ「遊べ」と言っているのではなく、従業員に「真剣なアスリートとして他のメンバーと協調しながら、効率的に責任をもって働くこと」を求めています。そんな社風が脈々と受け継がれているのです。ただ、実際にサーフィンに行くのは従業員の3%程度だそうですが。しかし、従業員さんは、「ここにはその3%を目指す人しかいない。できるかどうかじゃない。そういう働き方を目指す人が集まることが大切なんだ」と。

 

日本企業もこのような思考で取り組んでいけたら、根本から変わっていくのではないかと思っています。

前回紹介した西川産業さんの話の続きです。「革新の連続が伝統である」という言葉を紹介しましたが、それはまさに、「何を残して何を変えていくか」ということでもあります。すべてを変えてしまってはいけません。継続企業には、変えてはいけないもの、つまり「理念」が必要です。同社の経営理念は存じ上げませんが、社長の言葉の端々に出てくる「お客様に快適な眠りを提供し、健康をサポートしたい」といった思いが軸としてあるのだと思います。

 

その思いを表す行動の一つに、全国の寝具店改革があります。

旧来型の寝具店は、来店したお客様にふとんや枕を販売する、まさに「小売店」がほとんどでした。同社はそういった単なる「小売店」を脱却させ、「眠りの相談所」として、ただモノを売るだけではなく、良い眠りのためのアドバイスをしていくという付加価値を生み出しています。

全国民の3人に2人は眠りに不満を持っているというデータもありますので、潜在ニーズはたくさんあると思います。お客様のお持ちの布団の羽毛の状態を診断しリフォームしたり、「スリープマスター」というエキスパートが寝方の指導をしたり、一人一人の体形や要望にあった寝具をフィッティングしたり、その他にも様々な価値を提供していき、健康、眠りをテーマとしたコミュニティを創造しています。

 

売り手も買い手も社会も幸せになる「三方よし」を重んじる近江商人魂を感じますね。