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暑くて寝苦しい夜が続いていますが、皆様は毎日快眠できていますでしょうか?

睡眠はアスリートにとっても大変重要です。近年、メジャーリーガーの田中将大選手、プロゴルファーの松山英樹選手などが愛用する「AiR」という寝具が累計35万枚と爆発的にヒットしました。

この商品、「睡眠」を科学的に徹底して研究し、顧客に最適な寝具を提供している西川産業(東京西川)さんの倒産危機を救ったいわば社運を賭けたものでした。

 

同社は何と1566年に滋賀の近江で創業し450年永続しているのです!100年企業でも珍しいのに、450年ですから驚異的です。現社長の西川八一行さんは元銀行マンで、創業家出身ではないそうです。西川産業に婿養子で入り、2006年、38歳の若さで社長に就きました。業績不振の同社を「AiR」によってV字回復させ、現在も革新を続けています。

 

「AiR」は非常にカラフルでビビッドな商品であり、開発時には「強い色は寝具にはなじまない」と社内の猛反発にあったようですが、見事に社内を説得して爆発的ヒットを生み、強い会社に立て直しました。450年の伝統は、ただただ古き良き商品を販売し続けるだけでなく、まさに「革新の連続が伝統である」と言う西川家のイデオロギーが創り上げてきた成果ではないでしょうか。

「仕事帰りに短時間で1杯飲みたいな」。そんな「ちょい飲み」ニーズが急激に顕在化しています。これまで、牛丼チェーンの吉野家、デニーズなどのファミレスがこのちょい飲みニーズに応えてきていました。

 

しかしここにきて働き方改革が進み、サラリーマンの労働時間、手取り収入が減少してきていることで財布のひもが更に固くなってきており、安く済ませられる「ちょい飲み」ニーズの第二波が来ているようです。

ハンバーガーショップのファーストキッチン、そしてミニストップ系コンビニのCISCA、などが「ちょい飲み」市場に参入してきました。

 

職場の大人数での飲み会などが大きく減少し、アルコール市場に大きな構造変化が起こっています。「ちょい飲み」市場では牛丼屋もファミレスもハンバーガーショップもコンビニも全てが競合になります。

果たしてどこが市場をリードしていくのでしょうか。

「とりあえずビール」ではなく、「とりあえずレモンサワー」。時代の流れはじわじわと変わってきています。

ビール市場に目を向けると、ビールの出荷量は、ピーク時である1994年の約5億2000万本から約3割も!減少しています。

しかしながら、ビアホールは非常に好調な業績で、右肩上がりを続けています。現代社会ではなかなか珍しい「商品軸による差別化」を身近なビール市場で実現しています。

つまり、ビアホールのビールは劇的に、圧倒的に美味しいのです!

差別化のポイントは、グラスに油などの付着がないため気泡が入らずクリーミーさを高めていること、樽ごと冷蔵室に入れて樽ごと冷やしていること。値段も高いのですが、本当に美味しいビールを飲みたい顧客が足を運ぶのだそうです。

 

ビール市場全体が下降傾向にある中、本当にコアなビール好き顧客にターゲットを絞り、差別化した商品で満足していただいているビアホールは、レモンサワーが益々主流になっていったとしても勝ち残っていけるのではないでしょうか。

いきなりですが、「ファミチキ」をご存知でしょうか?ファミリーマートがレジ横であつあつのチキンを販売しているのですが、今後はそれらを「ファミ横商店街」として整理し、やきとりなどを加えて品ぞろえを更に充実させ、販売に力を入れていくようです。

 

売上=単価×数量、これをブレークダウンしていくと、売上=客数(新規顧客獲得×既存顧客の維持)×客単価(購買頻度×購買点数×商品単価)となります。

「ファミチキ」はファミリーマートの商品の中でも突出した認知度があるため、これをレジ横で前面にPRすることにより「最後の一品」として購入してもらい、

購買点数の向上⇒客単価の上昇⇒売上アップにつなげるという構図ですね。

 

ファミリーマートの1店舗1日当たり売上高は約52万円でセブンイレブンに大きく後れを取っています。ここを改善するのに若い世代に知名度の高い「ファミチキ」を使って客単価を上げていく戦略。また、このようなコンビニ総菜や宅配などいわゆる「中食」市場は、都市集中化、高齢化とともにますます伸びていくと思いますので、そういった外的環境にもマッチしていますね。

 

いまホットな売れ筋商品を前面に出して客単価を上げていく戦略、果たしてどのくらいのインパクトをもたらすのでしょうか。

「売上アップのために、同業他社と差別化しましょう!」。経営者の方は何度となく耳にする言葉だと思います。でも・・・、製品やサービスが飽和したこの世の中で、差別化ってなかなか難しいですよね。

 

名古屋発祥の「ブロンコビリー」というステーキハウスが沼津にも出店しました。この会社、売上高は180億円で右肩上がりなのに利益率が落ちていません。売上高経常利益率15%をキープしています。ちなみに同業他社平均は約3%です。どうしてこのような競争激化の中で、利益率を下げずに業績を伸ばしていけるのでしょうか?

経営者によるとこの会社の差別化ポイントは3つ、①備長炭を使用した炭火焼、②野菜ソムリエがプロデュースする種類の多いサラダバー、③魚沼産コシヒカリを使った炊き立ての極上米。どれも他社でもやっていそうなことだと思いますが、①も②も③もそれ単独では真似されるが、これを3つ組み合わせるとそうそう真似されないんだとか。

 

過去に低価格路線に走って失敗したが、それを教訓として、その後は手間やコストを掛けても付加価値の高い商品を提供することにより、利益率を落とすことなく業績を伸ばしている非常に好循環の会社さんです。

「崎陽軒」・・・何と読むか分かりますよね。北海道の人に聞いたら「ザキヨウケン??」との回答が・・。

私は横浜に行くことが多いので、昔から崎陽軒のシウマイにはとてもなじみがあり、横浜名物でありながら当然全国販売展開しているのかと思っていました。しかし、実は徹底したローカル戦略の企業だということを最近知りました。

 

昔は電車に乗りながら駅弁を食べることは移動の中の楽しみの一つでしたが、近年の鉄道の高速化に伴い、全国の駅弁取扱業者数は430社から97社へと激減している環境にあります。

そんな逆境の中、年商200億を超え崎陽軒が根強く愛されているのは、安易に販売地域展開せずに地元を大切にし、ローカル戦略にこだわってきたからだと思います。

横浜市民に徹底して密着し、家庭の夕飯のおかずやローカルな会議の際に崎陽軒のシウマイが並ぶことが多いそうです。

 

主力商品のシウマイ弁当は日本で一番売れている弁当だそうで、@800円で一日に32,000食を販売するそうです。

その強みは、「冷めても美味しい」こと。①ホタテ貝柱を練りこみ冷めても豚肉の臭みが出ないこと、②アカマツの木から手作りで作る容器がおひつの役割を果たし、水分調整してくれるため冷めてもご飯も美味しいこと。

皆さんも是非一度召し上がってみてください。

一度設定した製品・サービスの単価を上げるのは難しいですね。しかし、さらなる付加価値を提供することに成功すれば、新たな価格が提示できるため、利益増につながります。

その好例が、オフィス家具の製造・販売で知られる老舗、内田洋行さんです。

同社が着目したのは、取引先企業がオフィス空間に求める真のニーズ。「仕事がしやすい」だけでなく、「創造性を発揮し効率的に仕事ができる」空間を潜在的に求めていると察知し、「働き方」改革のコンサルティングサービス「Change Working」の導入を決定しました。特に、サービスインまでのプロセスが素晴らしく、100年企業である同社の看板を押し出すことで取引実績を増やすのではなく、自社でプロジェクトを実施し、結果を公表してサービスの価値を高める道を選びました。

 

その結果、会議時間の11%短縮や顧客対面時間の1.5倍増、年間1,830万円分のスペースコストの圧縮など数々の成果を挙げることに成功。

「第2回日本HRチャレンジ大賞」で奨励賞を受賞したほか、2013年は12億2900万円だった経常利益も2015年には38億6100万円と大きく伸ばしています。

コミュニケーション活性化や生産性向上はどの企業にとっても大きな課題です。机上の空論ではなく、自社の成果をもとにした同社の提案が説得力を持つことは間違ありません。

取引先はもちろん、自社や社会情勢にも利益をもたらす、まさに「三方よし」を実践した手法だと言えるのではないでしょうか。

企業に勤務するビジネスパーソンが副業をする。数年前までありえなかった考えですね。

実際、中小企業庁が行った2014年度の調査では、副業を容認する企業はわずか3.8%でした。しかし、安倍首相は働き方改革実現に向けた有識者会議で、「テレワークや兼業・副業の普及を図ることが重要」と発しています。

 

そうした動きに先鞭をつけるような採用方法を打ち出したのが、ソフトウェア開発大手のサイボウズ。1月から「複業採用」を開始しました。

サイボウズは「100人いれば、100通りの働き方」を掲げており、すでに2012年から社員の副業を推奨。50代の執行役員も副業を持っています。

補助的な意味合いを持つ「副」ではなく、パラレルキャリアを促す意味を込めて「複業」と銘打っていることも、柔軟な働き方を推奨する考えが伝わってきます。

人材確保の手段としても、高いスキルを持つ人材を低コストで確保できるため「複業採用」は効率的です。就職売り手市場が続く状況を考えれば、複業希望者を迎える受け皿を用意するのは、戦略として検討に値すると言えるのではないでしょうか。

アサヒビールvsキリンビール、ホンダvsヤマハ等々、長きにわたって競争を続けてきたライバル企業同士が提携する動きが広まっています。

アサヒとキリンは、トラックドライバー不足による運送コスト増に対応するため、共同輸送で手を組みました。

ホンダは50ccスクーターのヤマハブランドによる生産を開始し両社の成熟分野のコスト効率を高めていく道を選択しました。

これらの背景にあるのは、少子高齢化によるマーケットの縮小であり、特定の分野で協力しつつ、競うべき分野で競う「協争」の動きにつながっています。

 

こうした戦略は、いわば守りの戦略ではありますが、守りなくして攻めはありません。

効率化して捻出した資金で次の一手を打っていく、まさにそこがその後の企業存続・成長への重要なポイントではないかと思います。

地元で頑張っているローカルなスーパーマーケットは全国にたくさんありますが、東京羽村の福島屋さんの存在感は際立っていると思います。

チラシは打たず、安売りもしない。でも多くのファンを惹きつけ黒字を続けています。

過去に倒産の危機に陥った時に発想を転換し、売上至上主義から良い品ぞろえによる顧客満足重視の経営にシフト。

主導してきた現会長が年間120日間地方を巡り絶品商品を見つけてくるそうです。

売場の方も主婦で構成された特命チームが徹底した顧客目線で創り上げているそうで、買い物しているだけでワクワクするような売場となっています。

 

そして何といってもすごいのが福島塾。全国の中小スーパー、中小食品メーカー約30社が集い、協力して商品開発を行い、その商品を中小スーパーで販売しています。

流通大手は登場せず、中小企業だけの力で絶品商品をお客様に届けているそうです。

その過程で福島屋さんの経営ノウハウも地方のスーパーに還元され、改革も進む。

とても応援したくなる中小企業集団だと思いました。