第124話 業界全体を考える
洋食人気の高まりとともに、国内のかつお節の生産量は年々低下している現状にありますが、その中で業績を落とさず頑張っている企業「にんべん」さん。そう、スーパーでよく見かけるオレンジの「つゆの素」といえば分かりますね。伊勢の伊兵衛という人が創業したため「にんべん」になったそうです。1699年創業ですので、300年以上繁栄している企業です。
かつお節の美味しさはどれだけ水分を飛ばせるかにあり、カビを付着させて水分を飛ばす技術を駆使しています。同社で驚きなのは、社内で5年の歳月をかけて研究を重ね発見した最適なカビ・技術を、惜しげもなくライバル企業に伝えていったとのことです。さらに、いまでは当たり前になったかつお節のフレッシュパック(小分けパック)の技術もライバル企業に無償提供していったそうなのです。
そんな同社が「本物のかつお節だしを体験して欲しい」と出店した料理屋「日本橋だし場」はいつも行列が出来ています。スタンド式の「だし場(DASHI BAR)」も日本橋にあるとのことで行ってみました。1杯100円のかつお節だし、美味しかったです。