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先日勃発した大塚家具のお家騒動。 過去には溺愛していた娘社長を、30年後には人目をはばからず罵倒するという、泥沼。

 

もともと事業承継には多くの困難が伴うものではありますが、家族だからこそ、なおさら感情の折り合いが難しく、第三社が介入する余地も少ないのでしょう。 しかし、中小企業の場合にはファミリーによるオーナー企業がほとんどであるから、 同様の問題が発生することは想定されますし、私も実際多くの事業承継上の困難を見てきました。

 

今回の大塚家具のケースでは、創業社長は一代で上場企業を作り上げたカリスマ経営者であり、経営能力も十分お持ちであるはずであり、かたや娘社長の方も、経歴から見て十分な経営能力があるのではないかと推察されます。

ですから、父の戦略と娘の戦略とどちらをとるのか、又、それぞれのいいところをミックスしていくのか、十分な議論を重ねて会社を導いていけばよいと思いますよね。

 

しかし、そこには家族間だからこその様々な感情の軋轢や、世代間ギャップからくる葛藤など複雑な要素が入り組むため、そのような理性的な解決が図れないこともしばしばです。理屈だけではうまくいかないこともよくわかります。

 

そんな時こそ、『経営理念』なのです! 親子間で衝突するのは、往々にして経営戦略や経営戦術の局面です。

 

ところで、経営者であれば、経営戦略と経営戦術とは明確に区別出来なければいけません。

◇経営戦略とは、経営の方向性やコンセプトを決めることであり、経営資源をどう振り分けるかということです。

◇経営戦術とは、経営資源を、いつ、どこで、だれに、何を、どのように、使うのかという具体的手段のことです。

 

こうした戦略や戦術の意思決定局面において、意見が食い違った場合、感情や世代間ギャップに振り回され、最も大切な『経営理念』を見失ってしまうケースがほとんどです。 「会社をよくしたい」という思いは、先代も後継者も同じはずです。そんな時こそ、経営の共通言語である『経営理念』に照らして議論を進め、発展的解決を図っていくことが大切です。