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長く量販店の台頭が続く家電販売業界にあって、地域密着で気を吐いている『でんかのヤマグチ』さんの記事を読みました。 どの量販店も安売りの限界で競う中、あえて“高売り”に挑んで成功しています。 電気屋さんの一般的な粗利率は、 ・まちの電気屋で25~33% ・大手量販店で20%前後 といわれますが、『でんかのヤマグチ』さんでは38%を超えていると言います。驚くべき数字ですね!

 

この理由を考えてみると、(強み:Strength)は、「徹底したサービス営業」。家電が故障したと連絡を受けると即日対応で飛んでいく。会員得意客には乾電池や電球1個からお届けするようです。また、最近の多機能家電は操作方法が複雑でマニュアルを読むのも一苦労ですが、その操作方法についても懇切丁寧に説明するそうです。さらに驚いたのは、ペットの餌やり、買い物、洗濯物の取り込み等を喜んで引き受けるのだそう。すごい徹底ぶりですね。 差別化軸としては究極の(密着軸)、まさに中小企業にマッチした取り組みだと思います。

 

では、その(強み:Strength)を可能にする(資産:Assets)は?というと、徹底したサービスを叩き込まれた各営業マンのマインド、サービス力と、それを可能にする教育システム、仕組みなのだと思われます。あとは営業マンごとにバラつきが生じなければ、差別化を長期間キープできるでしょう。

 

(顧客:Target)はどうかというと、価格ではなくそうした充実したアフターサービスを求める層ということになります。この戦略をとるにあたって、顧客リストを約3分の1に絞り込み、重要度の高い顧客により密着したサービスを提供していく方向に切り替えたとのことです。 そうすることによって、(市場:Field)を家電における充実したアフターサービスを求める市場に特化し、売上高は減少したものの高い粗利率を実現しています。 まさに一貫した軸があり、それがグルグルと回っています。 見習いたいものですね。

 

大手量販店とは同じ土俵で勝負してはいけない。というポリシーで経営しているようです。兵法でも「もし我が計を聴かばこれを用いて必ず勝てん」といいます。価格だけを求め値切る顧客とは関係を持たない。安売りをせず目先の小利を求めない。徹底したポリシーを顧客に理解してもらい、高価格と強い財務体質を実現しているという事ですね。