第121話 学ぶ点だらけの経営者
高級宿泊ブランドの「星のや」、上質な温泉旅館の「界」、西洋風リゾートの「リゾナーレ」、人気の3ブランド宿泊施設を運営するのが、ご存じの方も多い星野リゾートさん。率いる星野社長はリゾート再生の達人。苦戦を強いられている日本旅館業界にあって著しい成長を続けています。全国に30ヵ所以上の宿泊施設を展開し、週刊ダイヤモンドのリゾート満足度ランキングベスト10に4施設もランクインしています。基本的に同社は土地建物を所有せず、運営に特化した会社であり、どちらかというと経営スタイルは欧米に近いのですが、その中で日本の良さをふんだんに打ち出して、非常に顧客満足度の高い旅館運営をされています。全国の日本旅館平均稼働率は約37%と厳しい状況の中、例えば日光にある「界・鬼怒川」は、73%の稼働率で運営されています。
そんなカリスマ的な星野社長も1914年に軽井沢で創業した老舗旅館の4代目であり、事業承継には大変なご苦労をされたと聞きます。取引業者や従業員との間に積もり積もったしがらみを先代と対立しながら解きほぐし、変革を続けていきました。「成長すべき時にやらないと成長できなくなる」と、強いリーダーシップをもって改革を断行していきました。
そんな星野リゾートさんの凄さ、経営における要諦は会社経営にとても参考になりますので、次回以降でご紹介していきたいと思います。