第101話 副業から複業へ
企業に勤務するビジネスパーソンが副業をする。数年前までありえなかった考えですね。
実際、中小企業庁が行った2014年度の調査では、副業を容認する企業はわずか3.8%でした。しかし、安倍首相は働き方改革実現に向けた有識者会議で、「テレワークや兼業・副業の普及を図ることが重要」と発しています。
そうした動きに先鞭をつけるような採用方法を打ち出したのが、ソフトウェア開発大手のサイボウズ。1月から「複業採用」を開始しました。
サイボウズは「100人いれば、100通りの働き方」を掲げており、すでに2012年から社員の副業を推奨。50代の執行役員も副業を持っています。
補助的な意味合いを持つ「副」ではなく、パラレルキャリアを促す意味を込めて「複業」と銘打っていることも、柔軟な働き方を推奨する考えが伝わってきます。
人材確保の手段としても、高いスキルを持つ人材を低コストで確保できるため「複業採用」は効率的です。就職売り手市場が続く状況を考えれば、複業希望者を迎える受け皿を用意するのは、戦略として検討に値すると言えるのではないでしょうか。