第95話 体験型店舗
文房具好きの聖地として知られる銀座の伊東屋さん。明治37年創業の老舗です。昨年6月に約2年半越しの改装を経て12階建て新装オープンしました。
PCの普及でモノを書くことが少なくなっている時代ではあるものの、約4,800億円の文房具市場は全く縮小していません。しかしながら、アマゾンやアスクルなどの台頭でリアル文房具店舗は厳しい環境を強いられています。
そんな逆境の中、伊東屋さんのとった策は「商品との偶然の出会いを演出し、体験ができる店舗に」。商品点数を15万点から4万点に大幅に減らし、本当にいいものを厳選して展示。展示しているペン約700種全てが試し書きOK。また、便せんや封筒、カードなどは、購入後すぐに書いて出せるよう、執筆エリアと郵便ポストを店内に設置。などなど、これまでの文房具店とは違った体験型の空間になっているようです。
単なる商品の置き場ではなく、その場所にいかないと体験できない空間を店に求め始めている消費者への対応が迫られている時代なんだということを再認識させられます。