第88話 時間の価値を売る
先週、コメダ珈琲チェーンを運営するコメダホールディングスが東証一部に上場しました。
スターバックスやタリーズなどが台頭する喫茶店市場の中、店員さんが注文を取りに来るタイプのいわゆる旧日本型喫茶店として業績を伸ばし、勢いは止まりません。
そもそも、コメダさんは欧米型の喫茶店とは競合せず、「くつろぎ」を最優先とし「コメダで過ごす居心地の良い時間」という価値を提供する時間消費型のビジネスです。高い天井や明るく開放的な空間、適度な間仕切りによるプライベート間の確保など、本当に居心地がよく、私も大好きな場所です。
急増するシニア層のニーズにマッチしたことも成功の大きな要因だと思います。2012年に定年を迎えた団塊の世代は約800万人で、就労者人口の15%を占めていたそうです。リタイア後にゆったりと居心地の良い空間で過ごしたいシニア層にはぴったりの価値を提供しているのではないでしょうか。
国内の店舗展開もさることながら、高齢化社会を迎えつつある韓国などアジア地域にも積極展開していくようですし、今後のさらなる発展が楽しみです。