第87話 高級路線と手軽路線の両立
ベルギーのチョコレートブランド「ゴディバ」が日本市場で絶好調です。5年前に就任したフランス人社長のシュシャン氏が5年間で売上高を2倍以上とし、2015年度は282億円の売上を達成しました。
最近、ゴディバのチョコレートがセブンイレブンなどで売っているのをご存知ですか?通常、ブランディング戦略を考える時、高級路線か手軽路線かの二者択一を迫られることが多いのですが、何とシュシャン氏は、両方を追求することにしたのです。クオリティを落とさずにハイレベル感を演出しながら販売拠点を増やしていきました。顧客の目に触れる場所を増やしたことで認知度が高まり、いままで買わなかった人にも買ってみようという動機づけが働いたのです。
そもそも国民一人あたりの年間チョコレート消費量は、ベルギー7kgに対して日本では2.2kg。日本市場のポテンシャルがまだまだ大きいことも寄与していますが、今後もその両立戦略が好調を維持していくのか、とても興味があるところです。