第49話 「起こり得ない事態」という思い込み
将来、倍増してもおかしくないコストや、売上が半減してもおかしくない商品はありませんか?資材や資源価格など特定のコストが倍増したり、ある商品の売り上げが半減したり、といった事態を想定するのはさほど難しいことではありません。しかし、会社内ではそういった大きなコスト増や売上減は「起こりえない」と思い込んでいるため、そういった事態に対処すべく行動すること自体が否定されてしまうことが多いと思います。
大半の人が「起きない」と信じているのは、「起きたら困る」ので、思考停止しているだけです。資源価格の上昇はもちろん、規制や環境変化で負担が増すことは往々にしてあります。得意先の倒産や技術の陳腐化で売上が激減することもあるでしょう。「クサいものにはフタ」とばかりに、経営の不安定要因から目をそらしてはいませんか?
ドラッカーは、『あらゆる関係者が起こりえないと知っていることこそ徹底的に検討しなければならない。起こりえないことが、自社にとって何かを起こすための大きな機会となる』とまで言っています。
潜在的な危機から目をそらさず、徹底的に検討し、リスク対応と、さらにはビジネスチャンスにまで持っていけるといいですね。